【ご相談の背景】
ご相談にみえられたのは、お亡くなりになったお父様のご長女様でした。
お父様の遺産を受け継ぐ相続人は「ご長女様」と「お兄様」のきょうだい2名でしたが、お兄様は心身にご事情を抱えていらっしゃり、ご自身で難しい相続手続きを進めることができない状態でした。そのため、ご長女様が「自分が中心となって、この家と家族の未来をすべて守らなければならない」という、非常に重い責任とプレッシャーを一人で背負っていらっしゃいました。
今回、お父様が地元に遺された非常に広大な山林(森林)を引き継ぐことになったのですが、山林は売却や処分が難しく、維持管理だけでも多額の費用や手間がかかります。これまでもお父様やお兄様に代わってご長女様が細かな管理を負担されてきましたが、今後のさらなる重荷を想像し、心身ともに疲れ切っていらっしゃいました。さらに「もし私に何かあったら、この大変な『負の財産』が、今度は私の子供たちにまで引き継がれて迷惑をかけてしまうのではないか…」と、先の見えない不安で深く胸を痛めていらっしゃいました。
【解決策(みらいえ相続税理士法人・税理士佐藤のアプローチ)】
私は、お客様の言葉の端々に滲む「これまでの苦労」と「我が子を想う優しさ」を深く受け止め、単に書類を作るだけでなく、お客様の心を軽くするための包括的なサポートを行いました。
数字には表れない「心身の負担」を徹底的に聞き取る
税法上の「債務(差し引ける借金など)」の計算には、お客様が個人的に負担されてきた細かな管理費用や、これまでの苦労といった「心身の負担感」は一切現れてきません。しかし私は、面談時に時間をかけてそのお話をじっくりとお聞きし、お客様がこれまでどれほど大変な思いをして山林を守ってこられたのかに徹底的に寄り添いました。お話を吐き出していただくことで、まずは張り詰めていた気持ちをほぐしていただきました。
徹底した資料収集による、膨大で緻密な「山林評価」の実施
山林の相続税評価は非常に複雑で、境界の確認や評価の区分など、専門知識と莫大な手間を要します。お客様からご提供いただいた情報をもとに、弊所でも独自のルートで公図や各種資料を徹底的に収集。点在する膨大な森林の一つひとつについて、税務署に100%堂々と説明できる、きっちりとした適正な評価額を算出いたしました。
「予定通りの時間経過」による確実な進行で安心感を醸成
不安を抱えるお客様にとって、「手続きが今どこまで進んでいるか分からない」ということは最大のストレスになります。そのため受任時に作成したスケジュール通り、一歩一歩確実に、予定通りの時間経過で漏れなく処理を進行いたしました。
【結果とその後(エピソード)】
複雑を極めた山林の評価もすべてスケジュール通りに完了し、期限内に無事に相続税申告を終えることができました。
何より、最初の面談時に「将来、子供にこの山林がいってしまったら…」と暗い表情で下を向いていらっしゃったお客様が、一つひとつの財産がクリアになり、手続きが約束通り確実に進んでいく過程で、目に見えて安心された表情へと変わっていかれました。「佐藤先生に、税金のことだけでなく、私がこれまで誰にも言えずに負担に感じていた気持ちまで聞いてもらえて、本当に救われました。これでやっと、将来の不安を無くして前に進めます」という、心からの感謝のお言葉をいただくことができました。
相続財産の中には、預貯金のように貰って嬉しいものだけでなく、維持管理が大変な土地や山林など、遺されたご家族にとって「将来の重荷」になってしまうような、いわゆる「負の財産」も存在します。
これらは、相続税の申告書の上では単なる「不動産の数字」としてしか処理されません。しかし、お客様がこれまでどれだけ汗を流し、身銭を切り、心を痛めてその土地を維持されてきたかという「心身の負担」は、数字には絶対に現れないものです。私は、その数字の裏側にあるお客様の苦悩にこそ、耳を傾けたいと思っています。
今回の山林評価は非常に膨大で手間がかかるものでしたが、プロとして妥協せず、きっちりとした評価書をスケジュール通りに作成いたしました。「いつ終わるか分からない」という不安を取り除くことも、私たち専門家の重要な役割です。「子供に迷惑をかけたくない土地がある」「山の相続をどうしていいか分からず途方に暮れている」という地主様も、どうぞその不安を私、佐藤にそのままお話しください。心の手荷物を軽くして、次の世代へ笑顔でバトンを繋げるよう、私たちが全力で並走いたします。