ご相談時のリアルな状況
財産規模: 総額 8,500万円(自宅不動産 3,000万円、現預金 5,500万円)
ご相談者様(お父様)は重い病気を患っており、ご自身の体調への不安から「自分が亡くなった後、遺される家族の生活を守りたい」と、病床から当事務所(みらいえ)へ遺言書作成のご相談をいただきました。
ご家族は、高齢で体調に不安があるお母様、知的障害があり将来の生活サポートが必要な長女様、そして他県(遠方)にお住まいの長男様の3名でした。お父様は当初、「遠方にいる長男にすべての財産を遺し、そこから母や妹の面倒を見てもらおう」と考えておられました。しかし、その分け方のままでは相続税の負担が大きくなってしまい、結果として家族に遺せる生活資金が減ってしまうという課題を抱えていらっしゃいました。
みらいえ相続税理士法人の解決アプローチ
一刻の猶予も許されない状況の中、当事務所では単に遺言書を作成するだけでなく、税務の専門家として以下の具体的なアプローチを行いました。
① 緊急の「公正証書遺言」の作成
お父様の体調と意思能力があるうちに手続きを完了させるため、公証人に病院まで出張してもらい、速やかに「公正証書遺言」を作成しました。
② 「障がい者控除」を最大限に活かす遺産分割のご提案
お父様は当初「すべて長男へ」と希望されていましたが、当事務所から「長女様へも適切な割合の財産を遺す遺言」をご提案しました。これにより、長女様の将来の生活資金を確実に遺せるだけでなく、相続税法上の「障害者控除(※長女様が85歳に達するまでの年数に応じて、1年につき10万円、特別障害者の場合は20万円が税額から控除される制度)」をフルに活用できる体制を整えました。
③ 二次相続までを見据えたトータルシミュレーション
お母様の「配偶者の税額軽減」や、将来お母様が亡くなった際の税金(二次相続)までシミュレーションし、今回と次回の合計税負担が最も軽くなる「財産の分け方の黄金比率」を遺言書に反映させました。
結果、そして現在
遺言書を完成させてから約1年後、当事務所に長男様から「父が他界しました」とのお電話をいただきました。
長男様がお父様の遺品を整理していたところ、大切な書類と一緒に、一通のメモと当事務所みらいえ相続税理士法人の名刺が添えられていたそうです。そこにはお父様の自筆で「何かあったら、みらいえ相続税理士法人に連絡するように」と書き残されていました。お父様が最後まで当事務所を信頼し、ご家族の未来を託してくださった事実に、一同深く胸を打たれました。
生前にお父様が「障がい者控除などの税金面まで考慮した遺言書」を遺してくださっていたおかげで、親族間で揉めることは一切ありませんでした。遠方の長男様の手を煩わせることなく手続きを進め、各種特例と障害者控除を組み合わせることで、最終的な相続税は「0円(納税ゼロ)」で無事に申告を完了いたしました。
現在は、長男様が安心してお母様と妹様の生活をサポートされています。生前の終活から、お亡くなりになった後の税務申告まで、ご家族のバトンを伴走しながらお繋ぎできた大切な事例です。
担当税理士:佐藤 智春からのコメント
お父様が遺された1枚のメモが、ご家族と私を再び繋いでくれた大切な事例です。最後まで私を信じて頼ってくださったお父様の優しいお気持ちに、全力でお応えしたいという一心で手続きを進めました。
本事例のように、サポートが必要なご家族がいらっしゃる場合、難しい税法の特例や「障害者控除」などをどう組み合わせるかで、将来の税金やその後の生活の安定度が大きく変わります。「すべてを長男へ」というお父様の当初の優しさを、税務のプロとして「長女様へも一部遺すことで税金をゼロにし、家族全員を守る」という、より安心な形へと翻訳して遺言書に反映させることができました。
相続や遺言の話は、難しくて不安なことも多いと思います。だからこそ私は、専門用語を使わず、お客様がホッと笑顔になれるまでとことん丁寧にお話を伺うことをお約束します。少しでもご家族の今後に不安がある方は、ぜひお気軽に私、佐藤にご相談ください。