業績アップで株価が大暴騰!?親子の確執を乗り越え「経営権100%」を守り抜いた事業承継

事業承継
製造・専門サービス業 / 自己株式取得による100%経営権集中
依頼者のご状況
V字回復を遂げた優良企業の現会長・後継者はご子息
主な財産内容
自社株式(V字回復後に評価額が急上昇)

ご相談時のリアルな状況

業種: 製造・専門サービス業

会社の歴史と課題:
一時は莫大な赤字を出し、債務超過にまで陥った企業でした。そこから現会長の凄まじい経営手腕により見事にV字回復を遂げ、競合他社を圧倒するほどの優良企業へ。しかし、利益が出続けるということは、「自社株の評価額が毎年右肩上がりに跳ね上がり続ける」という、恐ろしい副作用を伴いました。まさに「今すぐ対策を打たなければ、将来の税金で会社が傾く」という一刻を争う状況だったのです。

立ちはだかる3つの壁:

後継者問題の揺らぎと親子の距離感
当初は、ご子息への承継だけでなく、社内のもう一人のキーマン(右腕社員)への承継も選択肢にあり、方向性が定まりませんでした。さらに、親子だからこそプライドや感情がぶつかり合い、関係性がぎくしゃくして話し合いが完全にストップ。「株式の贈与を進めたくても進められない」という停滞期が数年続きました。

「今すぐリタイアできない」という現場のしがらみ
株価を下げる王道の手法は「会長への大口の役員退職金支給」です。しかし、会長は今なおトップ営業マンであり、取引先との強いパイプを持っていました。「今自分が完全に現場を抜ければ、信用問題に関わり、取引を減らされるリスクがある」――。経営上の理由から、退職金を出して株価を下げるという教科書通りの手法が使えないジレンマに陥りました。

増え続ける純資産とのいたちごっこ
会社で少しずつ株式を買い取る対策も始めましたが、それを上回るスピードで会社の利益(純資産)が積み上がっていきます。「このままでは対策が追いつかない」という焦りが現場にはありました。

佐藤智春税理士による「踏み込んだ」解決アプローチ

教科書的な節税スキームを押し付けるのではなく、「親子の感情のバイオリズム」と「現場の営業リスク」をすべて見極めながら、数年がかりで以下のような「現実的かつ最も効果的な出口戦略」を構築しました。

① 親子の覚悟が決まるのを「待ち」、タイミングを逃さず一気に移転
関係性が停滞している時期は無理に動かさず、粘り強く双方の対話をサポート。ご子息が「自分が継ぐ」と覚悟を決め、親子の信頼が再構築されたタイミングを捉え、まずは現時点で動かせる株式(議決権の約3分の2)を先行して一気にご子息へ贈与・移転しました。これにより、まずは後継者主導の経営基盤を確立させました。

② 「退職金なき株価対策」から「将来の自己株式消却」へのシフト
「今すぐ退職金は出せないが、株価がこれ以上上がる前に手を打ちたい」という会長の想いを汲み、株式の残り(約3分の1)をあえて会長の手元に残す決断をしました。
将来、会長が完全に現場を退くタイミング(数年後)を見据え、「残った株式を会社が適正価格で買い取る(自己株式の取得)」という予約型のスキームを設計。これにより、今すぐ退職金を出さずとも、将来の引退時に「退職金代わりの資金」を会長の個人資産へ安全に移転するルートを確定させました。

③ 資金負担ゼロで「100%オーナー」を創り出すマジック
会社が会長から買い取った3分の1の株式は「自己株式」となります。自己株式には議決権(会社の決定権)がありません。
結果として、ご子息が元々持っていた3分の2の株式が、外に出ている議決権の「100%」を占めることになります。ご子息が追加の買い取り資金を1円も払うことなく、実質的に完全な単独オーナー経営者になれるよう、パズルを組み立てるように税務スキームを完成させました。

結果、そして現在

一時はバラバラになりかけた親子の想いと、会社の財務が一本の線に繋がりました。現在は、会長が安心して現場の引き継ぎを行い、ご子息は「株価の恐怖」から解放され、100%の決定権を持ってさらなる事業拡張へ突き進んでいらっしゃいます。

後継者様(現社長)からのメッセージ:

「佐藤先生の凄いところは、決算書の数字だけでなく、僕と親父のピリピリした空気感まで見て、動くべきタイミングを計ってくれたことです。他の税理士さんなら『早く贈与しないと損しますよ』と正論を急かしたと思います。
さらに、うちの取引先との関係まで考えて『今は退職金を出すべきじゃない。代わりに自己株式をこう使いましょう』と、僕らの経営リスクを一番に考えて泥臭い提案をしてくれました。おかげで資金の心配をすることなく、100%の経営権を手に入れることができました。先生は、我が社の歴史の最大の理解者です。」

対応の成果

自己株式取得により後継者が資金負担ゼロで議決権100%を取得。会長は将来の引退時に退職金代わりの資金を安全に移転するスキームを確立。

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